人気ブログランキング |

疲労をためない睡眠について

日本人の平均睡眠時間は約7時間とされています.1日24時間ですから1日の約3分の1は寝ていることになります.つまり,人生の約3分の1は寝ていることになり,逆を言えば,睡眠を取らなければ人間は活動ができない,生きていけないということになります.睡眠には,脳や身体を休ませストレスを解消する,脳に入ってきた様々な情報を整理する,免疫力を向上させ病気を予防するなどの効果があり人間が活動するために必要不可欠なものなのです.

睡眠は,脳を休ませる深い睡眠のノンレム睡眠と身体を休ませる浅い睡眠のレム睡眠からなります.ノンレム睡眠とレム睡眠の合計の1回の周期が約90分で,6〜8時間の睡眠の場合,この周期を45回繰り返します.睡眠のメカニズムから考えると,脳と身体のそれぞれの疲労に対し別々に回復させており,脳と身体の疲労のバランスが良いとノンレム睡眠とレム睡眠のバランスも良くなり質の良い睡眠につながります.日頃から長時間にわたる脳の酷使を避けて適度な運動を心がけること,つまり,規則正しい生活を心がけることが質の良い睡眠を確保するポイントです.また,寝苦しい夏の夜は,冷房や除湿・扇風機を上手に活用し,心地良い睡眠となるよう心がけましょう.


# by hrnnobu357 | 2019-08-01 19:40  

夏場に注意が必要な労働衛生について

 夏場は,高温・多湿な環境となり,熱中症と細菌性食中毒に注意が必要な時期です.

熱中症は,炎天下の屋外作業のみならず,屋内作業でも認められることから全ての業種で注意が必要な疾患です. 熱中症の発生しやすい要因として,高温・多湿などの作業環境の問題,過度な作業,休憩時間不足など疲労蓄積の原因となる作業の問題.また,高齢労働者,糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に罹患している,睡眠不足,過度の飲酒,朝食抜きなど労働者の問題などが挙げられます.作業環境・作業方法には十分注意が必要ですし,労働者は日ごろから規則正しい生活を心がけることが大切です.暑い労働環境下では,十分に休息を取りながら作業を行い,作業開始前には必ず水分を取り,作業中もこまめに水分補給する必要があります.過度な発汗時にはスポーツドリンクなどを併用するなどの対策も有効です.また,暑さ指数(WBGT)を有効に活用することも予防につながります.熱中症は命に関わる疾患であると同時に,正しい知識を持って対応すれば予防可能な疾患です.労働者や作業管理者に対し熱中症に対する衛生教育を繰り返し行い,職場での熱中症予防対策を推進しましょう.

食中毒は1年を通じて発生する疾患ですが,夏場は細菌性の食中毒に注意が必要です.細菌性食中毒のうち,腸炎ビブリオ,黄色ブドウ球菌,サルモネラが三大食中毒とされていますが,カンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの発生も増加傾向にあり,カンピロバクターは細菌性食中毒の中で最も発生率が高く,腸管出血性大腸菌は重症化するケースも多いため注意が必要です.

食中毒から身を守る基本は,食中毒予防の3原則を守ることです.

つけない➡洗う

増やさない➡低温保存

やっつける➡加熱処理

十分な手洗い,食品をよく洗う,食物の低温保存し長期保存は避ける,生食を避け食肉は十分加熱する,調理器具をよく洗い乾燥させる,清潔な食品購入店や飲食店を選ぶことなどがポイントです.



# by hrnnobu357 | 2019-07-02 07:03  

喫煙による健康障害と損失について

昨日,531日は「世界禁煙デー」(WHO)でした. また,531日から1週間は「禁煙週間」(厚労省)で,「2020, 受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」のテーマのもと,喫煙と健康問題・受動喫煙問題についての認識を深め適切な対策の実践を求める週間となっています.

わが国のリスク要因別の関連死亡者数の第1位は喫煙であり,毎年約13万人が死亡しています.がん,脳・血管疾患,動脈硬化症,慢性閉塞性肺疾患,消化器疾患,婦人科疾患,歯周病などの全身の臓器・疾患との関連が明らかになっています.また,喫煙は喫煙者だけの問題ではなく受動喫煙や三次喫煙の問題も発生します.受動喫煙によって毎年約15千人が死亡しており,三次喫煙はタバコ煙が消失した後にも有害物質による影響で非喫煙者の健康被害をもたらします.喫煙者の離席時間や匂いによる非喫煙者のストレスも大きな問題となっています.近くに喫煙者がいるおかげで多くの人がストレスを感じ,病気を発症し,最悪は命を奪われてしまうのです.

喫煙による損失も問題です.喫煙による医療費は,能動喫煙と受動喫煙を合わせると約15,000億円であり,喫煙者の離席時間による生産性の低下は年間約5,500億円と推測されています.喫煙は「百害あって一利なし」ということです.企業は労働者の健康管理の意義としてはもちろん,企業の生産性や社会的責任(CSR)なども視野に入れ,禁煙・受動喫煙・三次喫煙防止活動を進めて行く必要があります.


# by hrnnobu357 | 2019-06-01 07:36  

いわゆる五月病・六月病について

いわゆる五月病とは,大学に入りたての学生に5月頃に多く見られ, 新しい生活に夢中でいる時期がひと段落する5月の連休明け頃に「無気力な状態」に陥る状態の総称です.最近では,新社会人でも新人研修などが終了し, 実際の仕事が始まる6月頃に同様の状態に陥ることがあるため六月病と呼ばれています.五月病・六月病は正式な病名ではなく,医学的には「適応障害」と考えられています.環境の大きな変化で, 知らずしらずのうちに蓄積された心身の疲れ, 人間関係などのストレスなどが原因とされ,「無気力」や「抑うつ」などの心の症状だけでなく, 睡眠障害や食欲不振, 頭痛, めまい, 動悸など身体の不調を訴えるケースも多く認めます.性格的に几帳面で真面目, 責任感が強いタイプの人が陥りやすい傾向にあります.人目を気にするあまり環境に過剰に適応しようとして自分をどんどん抑え込んでしまう, その結果として大きなストレスを感じてしまい,そのストレスが表面化して心身の不調として現れてきます.

予防のポイントはストレスを溜めないことです.

□考え方を変える(頑張りすぎない, 期待しすぎない, 目先にこだわらないなど)

□不安を受け入れる(まず自分のできることやるべきことに取り組む習慣)

□悩みを一人で抱え込まない(悩みを共有する)

□コミュニケーションを大切にする(上司, 同僚, 家族, 友人など)

□規則正しい生活を心がける(バランスの良い食事, 十分な睡眠, 適度な運動)

□自分の時間をとる(趣味を楽しむ)

□休日, 特に連休中の過ごし方に気をつける など

職場や上司の対応としては,新しい環境で働く人を孤立させず,気軽に相談できる職場環境づくりが大切です.上司はラインケアとして,部下の変化に気づく,気づいたら声をかける,十分に話を聞いて適切なアドバイスを行います.自分で解決できないようであれば産業保健スタッフに繋げましょう.


# by hrnnobu357 | 2019-05-01 06:47  

これからの企業におけるメンタルヘルス対策について

平成29年の厚労省の調査では62.6%の労働者が仕事や職業生活に関して不安や悩み,ストレスを感じているという結果でした.内容別に見ると仕事の質・量,仕事の失敗・責任の発生,対人関係などが上位を占めており,こうしたストレスが原因での労働者のメンタル疾患者が増加しています.メンタルヘルスに関連した精神障害等による労災請求件数も年々増加傾向にあり労災認定数も500件を超えました.

企業におけるメンタルヘルス対策は,個人情報保護への配慮を十分行いつつ,メンタルヘルスの13次予防活動とメンタルヘルスの4つのケアを組み合わせて進めていくことが基本です.さらに,これからのメンタル対策は,メンタル不全者を未然に防ぐことが重要であることから,1次予防とセルフケア,ラインケア,ストレスチェックと面接指導制度などを充実させる必要があります.


<メンタルヘルスの13次予防活動>

1次予防: 疾病を未然に防ぐ活動

 ・ セルフケア教育, 管理監督向けのメンタルヘルスマネジメント教育

 ・ コミュニケーショントレーニングなど

2次予防: 疾病の早期発見・早期対応(治療)

 ・ ストレス調査による労働者のストレスレベルチェック

 ・ 職場全体のストレス状況の把握と改善

 ・ メンタル疾患の早期発見・早期対応(治療)など

3次予防: 疾病回復に伴う社会復帰を適切に行うサポート活動

 ・ 復職判定から復職後の就業配置

 ・ 治療継続のサポートなど


<メンタルヘルスの4つのケア>

□セルフケア: 自分自身によるケア

 ・ストレスやメンタルヘルスに対する正しい知識と理解

 ・自らストレスへの気づき

 ・自らのストレスへの予防, 軽減, 対処(ストレスマネジメント)

□ラインケア: 管理監督者によるケア

 ・労働者の労働状況を日常的に把握

 ・過重労働や過重な疲労・心理的負荷・責任が生じないように注意

 ・労働者の変化に気づく,労働者の相談に対応

□スタッフケア: 産業保健スタッフによるケア

 ・産業医, 保健師, 衛生管理者が労働者や管理監督者からの相談に対応

□ソーシャルケア: 事業場外資源によるケア

 ・外部サービス利用(産業保健総合支援センター, 地域産業保健センター等)


# by hrnnobu357 | 2019-04-01 07:15