平成30年度全国労働衛生週間について

10月1日から7日まで平成30年度全国労働衛生週間です.労働衛生週間は,労働者の健康を確保し快適職場づくりに取り組むことを目的とした週間で,今年のスローガンは「こころとからだの健康づくり みんなで進める働き方改革」で展開されます.

脳・心臓疾患および精神障害の労災認定件数が増加している

・安衛法に基づく健康診断の有所見率は53.8%で増加を続けている

・労働者の高齢化の問題

・仕事や職業生活に関する強い不安,悩み,ストレスを感じる労働者が58.3%

・メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合が56.6%と低調

・過重労働等によって労働者の尊い命や健康が損なわれ深刻な社会問題となっている

・化学物質のラベル表示やSDSの交付を行っている譲渡・提供製造者の割合は,それぞれ60.0%,51.6%にとどまっている

・国内の石綿使用建築物は,耐用年数から推計すると2030年頃に解体棟数がピークとなる

13次労働災害防止計画の目標達成(201841日〜2023331)

これらを背景に下記の6つが重点事項となっています.特に企業における過重労働対策とメンタルヘルス対策の取組の実施を強力に推進する必要があり,また,病気を治療しながら仕事をしている労働者が労働人口の3人に1人なっていることなどから,働き方改革を進めながら健康的な職場環境を形成していく必要があります.


1.過重労働による健康障害防止のための総合対策の推進

2.労働者の心の健康保持のための指針などに基づくメンタルヘルス対策の推進

3.治療と仕事の両立支援対策の推進に関する事項

4.化学物質による健康障害防止対策に関する事項

5.石綿による健康障害防止対策に関する事項

6.その他の重点事項


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# by hrnnobu357 | 2018-10-01 07:00  

睡眠と生活習慣病について

生活習慣病の原因として,栄養や運動,喫煙,飲酒だけが注目されていますが,睡眠障害もその一つであり,食生活や運動,喫煙,飲酒と相互関連も認めます.栄養は摂食ホルモン・摂食リズム・エネルギー代謝と関連があり,運動は深い睡眠との関連,喫煙と飲酒は睡眠の質との関連があります.つまり,睡眠不足は肥満,高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病の発症に関わり,その結果,動脈硬化に伴う脳・心臓疾患の発症をきたします.また,睡眠不足が続くと不安・抑うつ傾向が強まり,精神機能の低下による鬱病などの精神疾患の発症や免疫機能の低下による感染症の発症,ヒューマンエラーの発生にもつながります.

就労者の睡眠時間の国際比較を見てみると,我が国は男女ともに先進国の中で睡眠時間が最も低い国の一つとなっています.また,我が国の睡眠時間による経済損失は,作業効率の低下や欠勤・遅刻・早退,交通事故などで約35000億円と推定されています.

睡眠時間を確保することは,労働者の生活習慣病と精神的疾患の予防し,労働災害防止・生産性の向上にも繋がります.企業は労働者の睡眠不足となる長時間労働などの削減に努め,労働者自身も規則正しい生活を心がけ睡眠時間を確保するようにしましょう.


健康づくりのための睡眠指針2014 〜睡眠12箇条〜

1.良い睡眠で,からだもこころも健康に.

・良い睡眠でからだの健康づくり                     

・良い睡眠でこころの健康づくり

・良い睡眠で事故防止

2.適度な運動,しっかり朝食,ねむりとめざめのメリハリを.

・定期的な運動や規則正しい食生活は良い睡眠をもたらす

・朝食はからだとこころのめざめに重要

・睡眠薬代わりの寝酒は睡眠を悪くする

・就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける

3.良い睡眠は,生活習慣病予防につながります.

・睡眠不足や不眠は生活習慣病の危険を高める 

・睡眠時無呼吸は生活習慣病の原因になる    

・肥満は睡眠時無呼吸のもと

4.睡眠による休養感は,こころの健康に重要です.

・眠れない,睡眠による休養感が得られない場合,こころのSOSの場合あり

・睡眠による休養感がなく日中もつらい場合,うつ病の可能性も

5.年齢や季節に応じて,ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を.

・必要な睡眠時間は人それぞれ

・睡眠時間は加齢で徐々に短縮

・年をとると朝方化,男性でより顕著

・日中の眠気で困らない程度の自然な睡眠が一番

6.良い睡眠のためには,環境づくりも重要です.

・自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となる

・自分の睡眠に適した環境づくり

7.若年世代は夜更かし避けて,体内時計のリズムを保つ.

・子どもには規則正しい生活を

・休日に遅くまで寝床で過ごすと夜型化を促進

・朝目が覚めたら日光を取り入れる

・夜更かしは睡眠を悪くする

8.勤労世代の疲労回復・能率アップに,毎日十分な睡眠を.

・日中の眠気が睡眠不足のサイン

・睡眠不足は結果的に仕事の能率を低下させる

・睡眠不足が蓄積すると回復に時間がかかる

・午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善

9.熟年世代は朝晩メリハリ,ひるまに適度な運動で良い睡眠.

・寝床で長く過ごし過ぎると熟睡感が減る

・年齢にあった睡眠時間を大きく超えない習慣を

・適度な運動は睡眠を促進

10.眠くなってから寝床に入り,起きる時刻は遅らせない.

・眠たくなってから寝床に就く,就床時刻にこだわりすぎない

・眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする

・眠りが浅いときは,むしろ積極的に遅寝・早起き

11.いつもと違う睡眠には,要注意.

・睡眠中の激しいいびき・呼吸停止、手足のぴくつき・むずむず感や歯ぎしりは要注意

・眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

12.眠れない、その苦しみをかかえずに,専門家に相談を.

・専門家に相談することが第一歩

・薬剤は専門家の指示で使用


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# by hrnnobu357 | 2018-09-03 06:29  

夏バテの予防について 〜秋に体調を崩さないように〜

「夏バテ」とは,夏の暑さによる自律神経系の乱れに起因して現れる様々な症状のことで,秋口に体調を崩した際, 夏に体力が弱った影響で体調を崩したという意味です.多くの人が「夏バテ」を夏の時期の体調の悪さを表すものと認識している人がいますが, 猛暑による脱水・体力低下・食欲不振などは,いわゆる「夏やせ」と呼ばれる症状です.

人体には体温を一定に保とうとする働きがあり,高温・多湿な状態では汗をかいたり血管を広げたりして体温を逃がそうとします.これらは自律神経の働きであり, 自律神経のバランスの乱れると「夏バテ」が起こります.空調設備が普及した現代では,気温と湿度の急激な変化にさらされる機会が多くなり,自律神経のバランスを崩して「夏バテ」を起こしやすくなっています.主な症状は, 倦怠感, 食欲不振,下痢や便秘, 頭痛, 肩こり, 微熱,めまいなどです.

「夏バテ」の予防としては自律神経を乱さないように, 室内と室外の温度差を5度以内にするように心がけたり,寒い室内では体が冷え過ぎないよう上着を羽織るなど急激な温度の変化に気をつけるようにしましょう.また,ストレスや生活習慣の乱れ, 環境の変化, 疲労の蓄積も自律神経を乱す原因となるため,規則正しい生活を心がけ,適度な運動, ストレッチ, 腹式呼吸, リラクゼーションなどでストレス発散を心がけることが大切です.


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# by hrnnobu357 | 2018-08-01 18:35  

夏場に注意が必要な労働衛生について

 夏場は,高温・多湿な環境となり,熱中症と細菌性食中毒に注意が必要な時期です.

 熱中症は,炎天下の屋外作業のみならず,屋内作業でも認められることから全ての業種で注意が必要な疾患です. 熱中症の発生しやすい要因として,高温・多湿などの作業環境の問題,過度な作業,休憩時間不足など疲労蓄積の原因となる作業の問題.また,糖尿病や高血圧症などの生活習慣病に罹患している,睡眠不足,過度の飲酒,朝食抜きなど労働者の問題などが挙げられます.作業環境・作業方法には十分注意が必要ですし,労働者は日ごろから規則正しい生活を心がけることが大切です.暑い労働環境下では,十分に休息を取りながら作業を行い,作業開始前には必ず水分を取り,作業中もこまめに水分補給する必要があります.過度な発汗時にはスポーツドリンクなどを併用するなどの対策も有効です.また,暑さ指数(WBGT)を有効に活用することも予防につながります.熱中症は命に関わる疾患であると同時に,正しい知識を持って対応すれば予防可能な疾患です.労働者や作業管理者に対し熱中症に対する衛生教育を繰り返し行い,職場での熱中症予防対策を推進しましょう.

 食中毒は1年を通じて発生する疾患ですが,夏場は細菌性の食中毒に注意が必要です.細菌性食中毒のうち,腸炎ビブリオ,黄色ブドウ球菌,サルモネラが三大食中毒とされていますが,カンピロバクターや腸管出血性大腸菌などの発生も増加傾向にあり,カンピロバクターは細菌性食中毒の中で最も発生率が高く,腸管出血性大腸菌は重症化するケースも多いため注意が必要です.

食中毒から身を守る基本は,食中毒予防の3原則を守ることです.

つけない➡洗う

増やさない➡低温保存

やっつける➡加熱処理

十分な手洗い,食品をよく洗う,食物の低温保存し長期保存は避ける,生食を避け食肉は十分加熱する,調理器具をよく洗い乾燥させる,清潔な食品購入店や飲食店を選ぶことなどがポイントです.


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# by hrnnobu357 | 2018-07-02 07:00  

喫煙による健康障害と損失について

531日は「世界禁煙デー」(WHO)でした. また,531日から1週間は「禁煙週間」(厚労省)で,喫煙と健康問題・受動喫煙問題についての認識を深め適切な対策の実践を求める週間となっています.今年のテーマは「2020, 受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」で展開されています.

喫煙による健康障害は明らかであり,全身のがん,脳・血管疾患,動脈硬化症,慢性閉塞性肺疾患,消化器疾患,婦人科疾患,歯周疾など全身のありとあらゆる臓器・疾患と深く関連しています.わが国のリスク要因別の関連死亡者数の第1位は喫煙であり,毎年約13万人が死亡しています.また,喫煙は喫煙者だけの問題ではなく受動喫煙や三次喫煙の問題も発生します.受動喫煙によって毎年約15千人が死亡しており,三次喫煙はタバコ煙が消失した後にも有害物質による影響で健康被害を与えます.また,喫煙者の離席時間や匂いによる非喫煙者のストレスも大きな問題となっています.近くに喫煙者がいるおかげで多くの人がストレスを感じ,病気を発症し,最悪は命を奪われてしまうのです.

喫煙による損失も問題です.喫煙による医療費は,能動喫煙と受動喫煙を合わせると約15,000億円であり,喫煙者の離席時間による生産性の低下は年間約5,500億円と推測されています.

喫煙は「百害あって一利なし」です.企業は労働者の健康管理の意義としてはもちろん,企業の生産性や社会的責任(CSR)なども視野に入れ,禁煙・受動喫煙・三次喫煙防止活動を進めて行く必要があります.


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# by hrnnobu357 | 2018-06-01 06:30