健康診断と診断結果判断について

労働者の健康診断は,安衛法および安衛則によって定められています.健康診断を実施することにより,個々の労働者の現在の身体状況と危険因子を発見することが可能であり,労働者の健康管理をする上で非常に大切です.

企業側は,労働者全員に健康診断を受けさせる義務があり,健康診断の結果に基づいた事後指導まで徹底しなければなりません.一方,労働者には自己保険義務が存在します.健康診断を受ける義務があり,健康診断結果や保健指導を受け,健康の保持増進に努め労務を提供しなければなりません.

健康診断の結果は, 検査データに基づき, 健診医師が受診者の健康状態について異常がないかどうかを判定したものです.検査結果によっては, 精密検査が必要であったり, 治療が必要であったり, 早急に治療を要する場合があるので, 医師の指示に従うことが必要です. ほとんどの疾患は自覚症状がないので, 「症状がないから受診しない」という自己判断は非常に危険です.また,治療中の病気であってもコントロールが悪ければ, さらなる検査や治療を要することがあるため注意が必要です.


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# by hrnnobu357 | 2018-05-01 08:20  

アンガーマネジメントについて

アンガーマネジメントとは, アンガー(イライラ, 怒りの感情)をマネジメント(上手に付き合う)するための心理教育のことです.怒りの根本には, 実は様々な感情が隠されており,アンガーマネジメントを学ぶ事によって, 自分自身の怒りを理解し, 怒りをコントロールしたり, ポジティブなものへ変換させたりすることができます.アンガーマネジメントを身につけることで,職場での問題解決や人間関係全般, 自分の周りに関係するあらゆる物事に良い循環が生まれるようになります.

<アンガーマネジメントの効果>

□人間関係でトラブルにならないように

□怒りにまかせた行動で信頼を失わないため

□職場でイライラせずに効率的に仕事をするために

□ストレスの高い仕事の人はストレス対策として

□管理監督者の部下のマネジメントのため

□パワーハラスメント予防のため

<アンガーマネジメントの3つの基本>

1.怒りを6秒だけこらえる(衝動のコントロール)

感情のピークは最初の6秒と言われており,6秒間待つことで怒りのピークをやり過ごすことができます.その場を離れたり,深呼吸したり,頭の中で6まで数えたりする

2.「〜べき」の境界を広げる(思考のコントロール)

仕事はこうやる「べき」, 部下はこうある「べき」など, 自分が信じている「べき」が裏切られたときに人は怒りを感じます.相手の価値観は自分とは違うことを認識し,怒る必要がある内容なのかどうかをよく考える

3.できるものだけをコントロールする(行動のコントロール)

「そういうものである」という受け止めの姿勢が大切です.最近, 怒ったことについて書き出し, それが「いつまでに」「どのように」「どのくらい変わったら」気が済むかを決めておくことで, 怒りをコントロールし, コントロールできない要素については「放置する」と決める


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# by hrnnobu357 | 2018-04-03 07:33  

職場のパワーハラスメントとその対策について

平成28年の厚労省「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」では,従業員向けの相談窓口で従業員から相談の多いテーマはパワハラが最も多く32.4%,過去3年間に1件以上パワハラに該当する相談を受けたと回答した企業は36.3%,過去3年間にパワハラを受けたことがあると回答した従業員は32.5% (平成24年度実態調査25.3%)でした.
パワーハラスメントとは,法的根拠はありませんが, 同じ職場で働くものに対し, 職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に業務の適正な範囲を超えて人格と尊厳を侵害する言動を行い, 精神的・身体的な苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為のことです.パワハラは上司が部下に対する行為と思われがちですが,その逆の部下から上司へ,また,同僚同士のパワハラも存在します.パワハラの存在は,職場の雰囲気を悪くするばかりでなく,労働者の心の健康を害し,生産性が低下や企業イメージの低下にもつながってしまいます.
企業は,企業モラルを含めた人事労務管理,雇用管理の一環としてパワハラ防止対策をしていく必要があります.まずは,経営トップのハラスメント防止に対する決意表明を行い,就業規則に関係規定な度を設けてルールを決める,アンケート調査などで実態を把握し,啓発活動として社内報などによる周知徹底,研修会による教育・研修,就業規則の制定,相談窓口設置,再発防止教育など健全な企業組織風土の構築と一貫した防止体制の構築などを進めていく必要があります.

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# by hrnnobu357 | 2018-03-01 18:00  

転倒災害防止について

平成28年度の労働災害の発生状況では,休業4日以上の死傷災害(117,910人)でもっとも多いのは転倒災害で23%(27,152人)を占めます.約4分の労働時間に1人の頻度で転倒災害が発生していることになります.また,4日以上仕事を休む労働者の約6割は1ヶ月以上の休業となり休業期間が長期になる傾向があります.特に高齢者で転倒災害のリスクが高く,55歳以上の労働者では55歳未満の約3倍となります.
転倒災害の原因は,「滑り」「つまずき」「踏み外し」の3つの典型的パターンがあります.転倒災害を防ぐためには,その3つ原因対策を進めることが基本となります.職場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)に取り組み作業環境の改善に務める.さらに,転倒しにくい作業方法を周知徹底する,作業に適した靴を選択し定期的に点検する,職場の危険マップを作成し危険情報を共有する,転倒の危険性がある場所に貼紙などをして注意喚起するなどを行う必要があります.
冬季は積雪・凍結などで転倒の危険性がさらに高まります.毎年,2月,6月は転倒災害の重点取組み期間であり各職場で転倒災害防止に努めましょう.

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# by hrnnobu357 | 2018-02-01 17:00  

体内時計(概日リズム)について

2017年のノーベル医学生理学賞は,睡眠などに関わる約1日周期の体内時計の仕組みを明らかにした米国の3氏が受賞しました.
体内時計(概日リズム, サーカディアンリズム)とは,地球の自転に合わせて身体に刻まれたリズムのことで,人間には1日周期でリズムを刻む体内時計が備わっています.自身が意識しなくても日中は身体と心が活動状態に, 夜間は休息状態に切り替わるようになっているのです.体内時計の働きで人は夜になると自然な眠りに導かれ,毎朝光を浴びることでリセットされ一定のリズムを刻みます.
体内時計が乱れる,つまり,生活習慣が乱れると睡眠覚醒のリズムが乱れてしまい不眠症をきたします.不眠症は,肥満,高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病の発症に関わり,その結果,動脈硬化が進行し脳・心臓疾患の発症をきたします.また,睡眠不足が続くと不安・抑うつ傾向が強まり,精神機能の低下による鬱病などの精神疾患の発症やヒューマンエラーの発生にもつながります.
体内時計の乱れを整えるためには,規則正しい生活と適度な運動が大切です.体内時計の中心は脳の視交叉上核にありますが, 身体のほぼすべての臓器にも体内時計が存在し,食事の時刻や運動の刺激によって主たる生体時計の調整をバックアップしているためです.

<体内時計を整えるポイント>
□起きる時刻を一定にする
□起きたら太陽の光を浴びる
□朝食を毎日食べる
□適度な運動
□夜はなるべく光を浴びない(特にブルーライト)

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# by hrnnobu357 | 2018-01-04 10:00