安全配慮義務について

安全配慮義務とは,事業者と労働者との間で結ぶ労働契約に付随する信義則上の義務のことです.労動安全衛生法上の健康管理義務を踏まえ,事業者は労働者の就労条件についての具体的な法規制,労働環境,当該労働者の素因や基礎疾患,発症している疾病の内容や程度に応じて,個別具体的に特定業務の軽減ないしは免除措置を講ずるなどにより就労環境を整備するとともに,健康管理についても一定の配慮ないし把握を行うこと等が措定されています.
この義務を怠り,労働者が損害を被った時は,事業者に民事および行政上の責任が発生します.以前は,有害業務や危険を伴う業務で問題となっていましたが,電通事件(最高裁判決平成12年3月24日)をきっかけに,過重労働から精神疾患の発症等による損害賠償の訴えを提起する事案が増加しています.裁判では,きわめて高額な損害賠償命令が下される事案もあり,また,新聞等の報道に伴う社会的信頼・評価の失墜などの意味からも企業にとっての損失は大きいものとなります.こうしたことから,労働安全衛生関連法令の遵守はもちろん,安全配慮義務を念頭においた労働安全衛生活動をすすめることが重要です.
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by hrnnobu357 | 2011-02-02 23:07  

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